Furyu

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フリュー株式会社の技術ブログです

2011年10月26日

Casual Connect 2011 Seattleで、ゲームと心理学との関係についての講演を聞いて来ました

7月にシアトルにて行われたCasual Connect 2011にて、ベンチャー企業を中心としたビジネスモデルやプラットフォームの紹介といった講演が多かったが、その中でもこの講演は異色で、まだ結論が出ていない事柄について、現場でソーシャルアプリを制作しているディレクターが、ゲームにおける「快感」は、脳の中でどのように作用しているか?といったことを経験談と調査結果に基づいてディスカッションするものであった。

Casual Connectを含む今回の視察ツアー全体の概要はこちら

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=3729

講演の一覧はこちら (英語)

http://seattle.casualconnect.org/content.html

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ゲームと心理学との関係

Your Brain on Games: The Hidden Psychology of Gaming

Demetri DETSARIDIS, GM, Zynga New York

Michael FERGUSSON, CEO and Founder, Ayogo Games Inc

Nicole LAZZARO, Founder and President, XEODesign

discussion led by Robert TERCEK, President, General Creativity

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■カジュアルゲームとは

本イベント「Casual Connect」は、その名前の通りカジュアルゲームのためのカンファレンスである。カジュアルゲームというのは近年敢えてそう呼ばれ出したカテゴリであり、Xbox360やPS3といった、「ゲーマーが遊ぶためのゲーム」とは逆の、「非・ゲーマーのためのゲーム」の事を指す。スマートフォンやソーシャルゲームなど、専用ハードを買い揃えるといったことが一切ない環境にあり、誰でもすぐにゲームを始めることが出来て、1分も遊べば満足できる、といった本当に「カジュアル」なゲームである。

Facebookでのソーシャルゲーム、iPhoneのタッチパネルを利用したゲームなどは、

・生活の側にある(ネット=Facebookであり、ポケットにはiPhoneが必ずある)

・いつでも遊べる

といったようなプラットフォームの特徴があるので、それに合わせるように内容も、

・お金も(そんなに)かからない・もしくは無料(高額なパッケージを購入する必要はない)

・分かりやすく、シンプル

・初めてすぐに「楽しいな」と思えるような作り

といった物がほとんどである。

しかしながら本来カジュアルゲームは「非・ゲーマー」であるユーザーがターゲットであるため、彼らをどう振り向かせるか、そしてどう熱中させるか?についての研究と、経験から語られるノウハウの共有が、本カンファレンス最大の趣旨となっている。

■Casual Connect 2011全体の印象

スマートフォンによるゲームアプリ、FacebookなどのPCベースでのソーシャルゲームなどの台頭はここ数年の出来事であるが、その参入障壁の低さと市場の大きさから、数多くのベンチャーがこぞって参入している。日本でもモバゲーやGREEがそうであるように、アメリカでも(このカンファレンスを見る限りでは)数多くのサプライヤーがカジュアルゲームの市場に参画しており、その勢いを会場の雰囲気から存分に感じることが出来た。

まず、参加者(参加企業)の数に圧倒される。メインは広めのカンファレンス会場であったが、中には参加企業のブースがところ狭しと数多く出展されており、プロモーション用のグッズやパンフレットの準備も入念であった。会場は全部で3つ用意され、タイムテーブルを見ながら3つの会場を移動するのであるが、ほとんどのカンファレンスは満席に近い状態であり、タイムテーブルの区切り目で大移動が起こるのであった。

カンファレンスの内容は多岐に及んでいるが、市場の分析やその企業のサービスの宣伝のようなことよりも、今話題になっているゲームや企業による戦略やノウハウの話、分析手法の話など、そこでしか聞けないような内容が盛り上がっていたように思えた。

ネットワーキング(交流会)も大勢が参加しており、見るからにギークで目がギラギラしたような人も多く(笑)、このカンファレンスに参加しているような会社の「勢い」のような物をよく感じられたと思う。

■講演の内容

ソーシャルゲームやソーシャル上の活動によって、人は「快感」を感じることがある。ゲームで友達に勝った時は快感を覚えるし、Facebookで「いいね!」が押された時も快感を感じる。その快感とは、いったいどこから来るものだろうか。また、脳の中ではどのように処理されているのだろうか。

そして、まだまだ人間が快感だと感じられるような部分があり、それを将来のゲームやソーシャルに活かすことはできないだろうか? といった趣旨での、筋書きの無いパネルトークであった。

具体的には「楽しみ方の4つの鍵」を仮定した上で、Zyngaはどのように企画に落としているのか?という内容である。



「楽しみ方の4つのキー」


(1)「hard fun」は障害に対するチャレンジ。プレイヤーのスキルがどんどん上がっていく。難しくならなければみんなやめてしまう。あまりにも難しくとイライラしてみんなやめちゃう。だからうまい具合にしないといけない。難易度は高いが達成したらものすごい喜びがある。そのバランスを考えて作っている。


(2)「people fun」は社交的な繋がり。誰かと交流をもって楽しむか。「いいね!」ボタンの意味合い。その意味は漠然としていて、後からその交流が生まれるということ。Facebookの場合はペットのゲームが多い。プラットフォームの持っている機能と、人の感情の交流がうまくマッチしている。


(3)「serious fun」はもっと意味合いのあること。お金とか、グローバルなリカバリーとか、そういうテーマ。世の中を変えるみたいな、そういう発想が入ってるようなゲーム。ただし冷めるのも早い。


(4)「easy fun」はコントロールの楽しみとか、手軽さ。

どこに力をいれていけばよいか?

(Zyngaのディレクター 語る)

いつも頭に入れているわけではないのだけど、ポーカーとかのソーシャルゲームは、hard funと重なるのではないか。そしてpeople funとeasy funはある程度重なっているのではないか?

例えばリクエストを友達にすることはゲームの一部でもあるということだと思う。だからミリオネアの場合は連絡するとき、フレンドに連絡しないと進展しないが、頻繁にしたくない。そのへんのジレンマがある。いつソーシャルグラフに入れるかが一つのチャレンジになる。

でも自分達の考えてない所に行く場合がある。Facebookの機能とか。だからソーシャルゲームは抽象的な空間でデザインすることではない。だから、プラットフォームが制限されているということでデザインすることになるので、出来ることと出来ないことがある。

「新しいゲームを作る時の心理学」

City Villeを例にあげてみると…

業界の中で色々なマニュアルがある。たくさんのデザイナーがいる。買収もした。オールスターチームのようなものである。Playdomだってそうだ。いろいろな才能が集まっている。色々なキャリアの経験豊かの人たちが一緒になっている。アイデアだらけの人達が集まっている。

ソーシャルゲームは、リアルライフスペース、つまり私達が生きている空間のように、期待されていることに対して、現実世界だったらどう反応すれば良いかとか?そういった事を、ゲームの中に落していくのが良いと思う。

例えば、宇宙のゲームを想像してください。そして宇宙船を想像してください。アステロイドの間の船を。宇宙のゲーム。でも、人間はちょっと宇宙まで行くことは難しい。だから実体験の近いものを何か取り込まないといけないと思う。Zyngaは非常になじみのある体験をゲームに取り込んでいる。抽象的なことをするとあまり人が集まらないのを知っているから、より理解しやすいことをする。レストランを開始するとか、そういう事である。

これはスキーマのセオリーだ。どういう風に人間が学ぶか、そのパターンのセオリー。図面を認識すること。つまり、ゲームでは人間が認識するようなパターンにフォーカスした方がいい。色んなアイコンを見ると人間は認識するから、そのスキーマを入れなければならない。みんな知ってることを組み込まないといけない。

抽象的なものをゲームにいれたら、「こうしなければならないよ」と教えなければならないが、みんなが知っていることや認知できることだと、プレイヤーは迷うことはない。それは一つの心理学的なプロセスだ。自分とゲームの間に心理的なブランクがあることを、現実の認知を使って繋げようとすることである。なじみがあるほど早く取り組めるということだ。

コーヒーに毎朝砂糖を入れると病気になったりするから、いつもの習慣を断ち切る必要がある。そういうことをゲームの中で自然に分からせることというのが、それが私たちの一つの狙いだ。例えば自分の将来的なベネフィット、来週の100ドルと、来週50ドル、将来50ドルだったら来週100ドルを選ぶだろう? そういうことだ。

「社交的なダイナミクス」

母乳をあげているときに信頼関係ができるということが、脳神経科の調べで分かっている。脳内のことはFacebookと同じような、脳神経的な反応がある。セロトニンの分泌による、人間と人間の反応ということが。

例えば教師が子供に星だとかリボンをご褒美するようなコミュニケーション。しかしご褒美をあげることで(満足して)やめちゃったりするので、単純にご褒美だけをするのはよくない。ポイントとかお金とかで動機付けはできるんだけど、必ずしもその通りに人間は動かない。行動するモチベーションが衰えて、諦めてしまうことがある。だから長期的に習慣を変えていく必要がある。それは例えば、友達とチャレンジする事とか。

そしてFacebookでも、フレンドが写真をタギングするというのは、タギングされた人にとって、中毒的な力であるということだと思う。Facebookの人に認めてもらえることは、お金よりもセックスよりも力が強い。

それは写真を撮って公開しただけでも、それだけで終わるのではなく、もっと次の段階のインタラクションがあるということ。その行動にエモーションがあるということだ。

■講演の感想

楽しみ方を4つに分けて分析し、それぞれに脳に及ぼす知覚的な刺激が違っているという、ただゲームを企画するという側面だけではなかなか手の出せないような分野の話が満載で、聞き所が多かった。特に「社交的なダイナミクス」にて語られた、自分のアップロードした写真にタギングされることが中毒性を持っており、お金よりもセックスよりも強いものである、という部分や、新しいゲームを作るときは、そこにある世界を現実の世界と同様な構造にして用意してあげることが重要といった話について、非常に面白かった。

まだソーシャルゲームの歴史は始まったばかりであり、Facebookで「いいね!」が押されて気持ちいいとか、そういうものは非常に原始的な仕組みであり、まだまだやれることがあるのだと思う。心理学の面から、人間が何をされたらどういう感情になるか?を科学して、そこから新しいゲームの仕組みを考えていくというのは、まだまだ可能性が残されているように感じた。


2011年10月13日

Casual Connect 2011 Seattleで、Angry Birdsの中の人の話を聞いてきました

こんにちは。モバイル事業部 開発部の九岡です。
去る7月に、アメリカ シアトルで開催されたCasual Connectというイベントに参加しました。
Casual Connectは、世界中からカジュアルゲームの開発者、パブリッシャー、ディストリビューターが集まり、情報交換やレクチャーを行うイベントです。
開催期間中、私も色々なレクチャーに参加しましたが、Angry Birdsの開発元であるRovio Mobileさんの発表が特に面白かったので、ここでご紹介させていただきます。

A bird in the hand 発表風景

A bird in the hand

なお、発表動画はCasual Connect公式サイトで公開されています。この記事を読んで興味を持っていただけたら、動画もチェックしてみてください!

[発表動画]
A Bird In The Hand: How to Make Your IP Work for You | Peter VESTERBACKA | Casual Connect

Angry Birdsって?

豚に卵を盗まれたAngry Birds達が、自らの体を弾にスリングショットで豚をやっつけていく・・・という内容の、有名なiPhone向けカジュアルゲームで、数千万のプレイヤーがいるとも言われています。
Casual ConnectでのRovio Mobileさんの発表にも、ファンの方が多数参加されていたようで、少し他とは違った熱気がありました。

ダウンロード回数よりファンを増やしたい

Angry Birdsは、世界中で3億5000万回以上ダウンロードされています。これだけ成功しているのだから、iOS以外への展開や、次回作など、ゲームとしての今後の展開が気になっていました。もちろん、次回作やマルチプラットフォーム展開も進めているところだそうですが、ポイントはそこではありませんでした。発表者のPeterさん曰く、

「Angry Birdsをただのゲームではなく、一大ブランドに育てたい。1ビリオンファン獲得を目指して頑張る」

ヒット作を連発することは本当に難しい、だからAngry Birdsというブランドを育てることに注力する、ということのようです。

では、ブランドを育てることはどういうことか、というと・・・

メディアミックス

北米ではmedia franchiseといいますが、日本では「メディアミックス」という言葉でおなじみですね。Angry Birdsは色々な媒体で楽しめるようになっています。色々な媒体でAngry Birdsを露出させて、ブランドとしての認知度と価値を高める戦略のようです。

例えば、アニメ作品はROKUというネットワークビデオプレーヤーで視聴できる他、Netflixでオンライン配信されています。また、毎月100万個のおもちゃを販売しています。おもちゃについては私も最近知ったのですが、ぬいぐるみや着ぐるみ、カバン等もあるようです。今後は、「出版社から二人引きぬいて、Angry Birdsの本をつくる!」とも仰っていました。「まずは、豚が作る卵料理の本」だそうですw

Xbox 360やPS3向けにAngry Birdsを使ったゲームの開発も進めているそうです。

手を広げ過ぎではないかと思いましたが、ちゃんと、ブランド育成の方針があってのことのようです。
その方針とは、すなわち・・・

ブランド価値へのフォーカス

「手を広げすぎて、Angry Birdsのブランド力が薄まらないように、細心の注意を払っている。ブランドの価値を下げるようなことはしない。ファンを失望させない品質を維持すること。これにフォーカスすることを忘れなければ、ブランドは維持できる。」

「(続編の)Angry Birds Rioもちゃんとゲームとして楽しいものを作った。ブランドを使っただけのクソゲーではなく、自分たちが遊んで楽しい。これが重要。」

質疑応答での、Peterさんのお話です。

もちろん、Angry Birdsもマネタイズを意識していないわけではないようです。利益のでない分野には投資できない、だからこそ利益率が90%になった、と明言されていました。マネタイズもする。ファンの期待にも答える。そのために、ブランド価値にフォーカスする。
言われてみれば当たり前のようですが、このバランスがAngry Birdsをここまで育て上げたのでしょう。

ちなみに、この発表のタイトル”A bird in the hand”は「現実に手にしているもの」という意味で、英語のことわざ”A bird in the hand is worth two in the bush”に由来する慣用句です。birdはAngry Birdにかかってますね。うまい・・・。

まとめ

Rovio Mobileさんは、Angry Birdsのヒットを受けて、Angry Birdsのブランド価値を高めることに注力していく。ブランド価値を高めるために、ゲーム、アニメ、おもちゃ、本など様々な媒体にAngry Birdsの関連商品を展開していく。展開にあたっては、ブランド価値を高めるような商品を作り続けることにフォーカスする。

さいごに

ここまでつらつらと書いてきましたが、この記事を書いたのは、「Angry Birds/Rovio Mobileすごいな~」と言いたかったから・・・ではありません。私自身、ヒットゲーム、ヒットサービスを作りたい、ユーザに楽しんでもらいたい、という思いでエンタメ業界に身を置いています。Rovio Mobileさんの事例と比べて、自身はどうか、今一度、考える機会になるのではないか。そんな思いで、この記事を書きました。

書きながら、

  • マネタイズできているか?
  • ファンの期待に答えているか?
  • ブランド価値にフォーカスしているか?

と自分に問いかけました。
正直なところ耳が痛いです!

皆さんは、いかがでしょうか。

最後になりますが、私個人、また弊社は、Angry BirdsやRovio Mobileさんとは特に関係はありませんので、ご了承くださいm( _ _)m


2011年09月22日

Casual Connect Seattle に参加してきました – part.3

みなさん、こんにちは!フリューでモバイルサイト開発を行っている鷲見といいます。

去る7月19日から21日にかけてシアトルで開催された北米最大のカジュアルゲームの祭典『Casual Connect Seattle』に、我々フリューのモバイル事業部より中島、九岡、鷲見の3名で参加してきました。

今回はそのCasual Connect Seattleへの参戦記を参加した3名それぞれの観点で掲載していきます。

今回はpart.3ということで、わたくし鷲見の特に印象に残ったセッション2つについて解説したいと思います。


Smart Gamification

最近は日本でも耳にするようになった『ゲーミフィケーション』という言葉。ゲーム分野で使われるユーザを夢中にさせる要素をゲーム以外の分野に取りいれるという考え方で、日本ではWebやソーシャルアプリケーションの分野でよく使われるようになった感じがします。ただ、日本では抽象的な話を語られることは多いものの、具体的にどうするべきかといったことが説明されていることが少ない気がします。

そんなゲーミフィケーションについて、具体的にどのように構築するべきかといった方法論を5つのキーワードから紹介したセッションです。

ユーザーを没頭させるための5つのキーと題して以下のような点をあげています。

1.ユーザーのソーシャルスタイルを知る

どのような人がユーザーなのか。そのユーザーはどのようにすれば没頭してくれるのかを考える必要がある。

ユーザーが没頭するスタイルを『競争』『表現』『冒険』『コラボレーション』の4つに分類し、その4つの分野に該当する動詞にあたるアクションをゲーム内に散りばめることでユーザーが没頭しやすくする。

2.ユーザーのゲーム上でのライフサイクルステージに合わせてデザインする

ユーザーはゲーム上のライフサイクルで『初心者』・『常連』・『熱狂的なファン』の3段階に分類される。

それぞれの段階ごとにユーザーが求めることが異なるので、それぞれの段階のプレーヤーが楽しめるようデザインする必要がある。

  • 初心者はゲームのコツを覚えることを求める
  • 常連は新たなコンテンツ・活動・挑戦を求める
  • 熱狂的なファンは独占・認知・反響を求める

これらの段階別のユーザーの欲求を考慮してデザインを行うことが重要。

3.活動にPERMAを導入する

ポジティブ心理学という分野のPERMAというフレームワークを活動の中に導入することでユーザーが没頭しやすくなる。

PERMAとは

  • Positive Emotion・・・ポジティブな感情。喜び・楽しみ・面白さ・安全の経験
  • Engagement/Flow・・・没頭。意識して活動に巻き込む
  • Relationships・・・人間関係。楽しめる・協力できるような他の人との交流
  • Meaning・・・意義・目的のある物語を作る。
  • Accomplishment・・・ゴールの達成

の頭文字の略です。

これらPERMAの要素を導入することで、ユーザーが没頭しやすくなる。

4.簡単にマスターになれるような成長のメカニズムを導入する

良いゲームにはユーザーを学習させ、マスターに向かわせるようなガイドのメカニズムがある。ガイドのメカニズムを利用し、ユーザーのスキルを上げ、没頭させる仕組みが重要です。

5. 個人の内発的な欲求を満たす報酬を準備してユーザの動機づけを行う

タスクの達成などの外から与えられる報酬よりも、 認知欲求や所属欲求のような個人の内発的な欲求を満たす報酬の方がユーザーのモチベーションを高める。

認知欲求や所属欲求などをみたせるような報酬も準備することでユーザーがゲームを使い続ける動機付けとなる。

これらの5点をちゃんと考慮することで、ゲーミフィケーションを盛り込むことができるようです。今後のソーシャルゲームの企画・開発に使える。非常に有意義なセッションでした。

資料

Smart Gamification資料


2011: Social Games Year in Review

2011年のソーシャルゲーム市場を振り返るセッション。

日本では一つ一つのアプリの特徴について触れる機会は多いのですが、市場全体を見た傾向がどうかといった情報があまりないような気がします。そんな市場全体の傾向について、成功事例や失敗事例を交えて発表してくれるセッションでした。

今後のソーシャルゲームの流れを把握し、さらに先を行くために非常に参考になりました。

2011年の傾向としては以下のような点が挙げられています。

Trend #1 LONG,LONG TAILS

ランキングTOP50内で、1年以内にリリースされたものは6個。リリース後1年以上立っているものが1/3を占め。成功したゲームの寿命が非常に長くなっている。

メンテナンスを定期的に行い、週ごとに改善していくような努力をして寿命をのばす努力が必要。

Trend #2 VIRALITY:ALIVE AND WELL

FBのゲームのリクエスト、通知のようなバイラルが新規ユーザ獲得でなく、現状のユーザの維持のために役だっている。

Trend #3 EVERYTHING MUST BE A FRONTIER

2009年から2010年は農場系のゲームが元気だった。現在でも農場系のゲームが多いけど、農場の真似をしただけのゲームが多くなってきた。

農場の真似をするだけでなく、フロンティアとして新しい分野を開拓していく必要が出てきている。

Trend #4 THE AGE OF HIGH QUALITY

同じゲームでもここ数年ですごく高品質化しており、高品質の時代がやってきている。

ユーザーは一度いいものを味わうと元に戻れなくなるので、機能・コンテンツを磨き続ける必要がある。

ただ、目新しい機能・コンテンツばかりになると、ユーザーが学ばなければならないことが多くなってしまうので、バランスの調整が退治。

クオリティが高く、新しいものであることが大切。

Trend #5 THE AGE OF ITERATION

似たようなゲームが大量に発生。特に農場系ゲームが大量。

2009年−2010年は モノマネでもDaily Active User(以下、DAU)が多かった。しかし、2010年−2011年にはDAUが低下していき、そして、ほとんど消えてしまった。

既存のゲームと似ていてもテイストを変えるなど、ひとひねりすることが大事!

Trend #6 THE CASUAL INVASION

テトリスのような昔からあるゲームが売れていたり、売れていなかったりしており、ケースバイケースの様相を呈している。

なぜかと考えたところ?以下のような原因が考えられる。

  • カジュアルゲームのターゲット層と対象のターゲット異なる
  • ゲームに親しみやすさがない
  • 1セッションが長い

Trend #7 CASUAL CONFLICT

2010年の対戦型ゲームは、誰が進んでいるのかといった進み具合を表示するようなタイプのゲームが多かった。これは構築型のゲームには適していた。けれども、他のユーザと協力することはできても、他のユーザーの邪魔をすることができない。

2011年になって戦争ゲームのような競争系のゲームが売れるようになってきた。

なぜかと考えると、以下のような原因が考えられる。

  • 戦争分野はゲーム機の分野でも既に実績のあるニッチ分野であること
  • ユーザーが洗練され、他のユーザーの邪魔をできるよう競走系のゲームを望むようになってきたこと

Trend #8 THE RISE OF I.P.

ライセンスを購入して作成するようなゲームはプロバイダーの助けになるのか?

答えはある程度のインパクトは与えるけど、それだけでどうにかなるようなものではない。

ライセンス系のゲームのメリットとデメリットは
メリット

  • ユーザを獲得しやすい
  • コンテンツが揃っている

デメリット

  • ライセンスコストが高い
  • ライセンサーの承認が必要
  • プレッシャー

が挙げられる。

ライセンサーからのニーズがあり、決められた期限内のリリースが必要で、スケジュール的にきつくなるようなことも多い。

ESPN U:CollegeTownはゲームバランスが悪く、チュートリアルもあまりよくなく、納期的にもピンチだったけど、現在は質のよいユーザを獲得できている。

ただし、ケースバイケースなので注意が必要。

Trend #9 WHITHER THE FACEBOOK RPG?

FacebookアプリのRPG分野は2010年はすごく調子が良かったが、現在は下降傾向にある。

  • アイソメトリックミッション系・・・2011年は調子が良い
  • モンスター収穫系・・・同じく調子がいい
  • ダンジョン探検系・・・調子が悪い。

これから健全な多様化が行われていくことが今後期待される。

Trend #10 IT’S A HARD,HARD ROAD

ソーシャルゲームの会社は結構多くの数がクローズしている。また、大きな会社でもDAU稼げていないところが多い。

なぜ?

  • ソーシャルゲームは難しい
  • ソーシャルゲームは本当に難しい
  • ソーシャルゲームは本当に本当に難しい

リリースしてからも、ブラッシュアップし続けていかなければならない。また、2,3回失敗しても、持ちこたえるような体力が無いと成功するのは難しい。

資料

2011: Social Games Year in Review資料


まとめ

今回はわたくし鷲見がCasual Connect Seattleに参加して特に印象に残ったセッション2つを解説させていただきました。

『Smart Gamification』では
ユーザーの段階に応じて、ユーザの所属欲求や認知欲求を考慮して、動機付けすることが大切である
ということを学ぶことができました。

『2011: Social Games Year in Review』では、

  • ゲームがどんどん高品質化し、ユーザーの求めるレベルが高くなってきている
  • モノマネだけでなく、新しい試みが必要である
  • ブラッシュアップをつづけ、ユーザーを飽きさせないことが必要である

ということを学ぶことができました。

これら2つのセッションから学べば、ヒットするソーシャルアプリを作れるかもしれませんね!

私もこれらのセッションから学んだことを活かして、アプリをヒットさせてみたいと思います。

part.4以降は、私と一緒にCasual Connect Seattleに参加した中島・九岡からのレポートとなります。


2011年09月22日

Casual Connect Seattle に参加してきました – part.2

みなさん、こんにちは!フリューでモバイルサイト開発を行っている鷲見といいます。

去る7月19日から21日にかけてシアトルで開催された北米最大のカジュアルゲームの祭典『Casual Connect Seattle』に、我々フリューのモバイル事業部より中島、九岡、鷲見の3名で参加してきました。

今回はそのCasual Connect Seattleへの参戦記を参加した3名それぞれの観点で掲載していきます。

今回はpart.2 ということで、わたくし鷲見の観点でCasual Connect Seattleの感想、特に印象に残ったセッションについて、その他シアトルの街で感じたことなどを書き綴っていきます。


Casual Connect Seattleについて

初めての海外カンファレンスへの参加ということで、大丈夫かと不安に駆られながら参加したものの、なんとかセッションにも着いていくことができました。

北米最大のカジュアルゲームのカンファレンスで3日間の開催期間ということもあり、非常に多くの企業が参加・出展されていました。日本からもGREE Internationalの青柳さんのセッションがあったり、GREEが買収したOpenFeint社主催のネットワーキングイベントがあったりと、日本の関連企業も参加されていました。参加企業の印象としては大きな企業が少数と、ソーシャル分野で成功を収めはじめたベンチャー企業が多数という印象でした。

また、北米中心ながらいろんな国の方々が参加されている印象が強かったです。日本の方も多く、異国の地で同じ国の人を見かけてちょっとほっこりした気持ちになったりしていました。

セッションは4つの会場で並行して行われるため、すべてのセッションに参加することは出来なかったのですが、セッションの内容としてキーワードとなっていたのは、「ソーシャルゲーム」「ゲーミフィケーション」「モバイル」の3つだったと思います。これらの3つについて、学術分野・テクノロジー分野・ベンチャーキャピタリストなど様々な分野から傾向・成功事例・研究結果などが語られていました。やっぱり今後はスマートフォンでのソーシャルゲームというものがカジュアルゲームの主流になっていくのだろうということをセッションの内容からも感じることができました。

今回Casual Connect Seattleに参加して特に印象が残ったセッションは、ゲーミフィケーションについての方法論を教えてくれた『Smart Gamification』というセッションと、現在のソーシャルゲーム分野の傾向について教えてくれた『2011: Social Games Year in Review』の2つです。これらの2つのセッションについては、長くなるので別のページにまとめさせて頂きます。

Casual Connect Seattle に参加してきました – part.3

3日間にわたり多くのセッションがあったのですが、セッション終了後に、多くのネットワーキングイベントが開催されていました。公開されているイベントもあれば、企業のブースを訪れると教えてくれるような非公開のイベントもありました。中には夜の水族館を貸し切って行われるような豪華なイベントもあったりして、カジュアルゲーム企業の勢いを感じることもできました。英語があまりできないので、あまりネットワーキング出来なかったのが残念です。


その他シアトルの街で感じたこと

本屋での技術書の構成の違い

シアトルで少し時間があったので、Barnes & Nobleという大きな本屋さんに寄って来ました。

そこで技術書のコーナーにいってみたのですが、日本の技術書のコーナーと少し構成が違い違和感を覚えました。日本ではまだあまり見かけないような新しい分野の本がたくさん見かけられました。

日本に翻訳されて入ってくるのはまだまだ先なのだろうと思うと、この時間差を解消し、世界と戦うためには、英語で技術書が読めるようにならないといけないなとつくづく実感しました。

また、もう一つ印象的だったのは、円高ということもあり技術書を2冊ほど買ったのですが、その時にレシートと一緒にレコメンデーションのシートも渡してくれたことでした。かなり的確にリコメンデーションをしてくれていて、日本でもぜひやってもらいたいと思いました。

日本人との感性の違い

Casual Connectの会場で、パンフレットや資料をたくさんもらいました。

カジュアルゲームの祭典ということで自社のゲームを紹介するものが多かったのですが、そのキャラクターの絵がことごとく日本人の私には受け付けにくい感じが非常に強かったです。いうなればポケモンとアメコミの差という感じでしょうか。

このあたりに日本人と海外の感性の差というものを非常に感じました。

海外、特に北米で成功するにはこの感性の差を乗り越えないといけないだろうと実感しました。

英語の必要性

アメリカでのカンファレンスなので、当然、すべて英語でのセッション。

私自身は英語力があまり高いわけではないので、資料があるセッションはついていけるものの、討論やパネルディスカッション形式のセッションにはほとんどついていけませんでした。

またネットワーキングイベントも多くあったのですが、英語があまり出来ないため、積極的にコミュニケーションがとれず、海外の人とのネットワーキングはほとんど出来ませんでした。

もっと英語力が必要だと改めて痛感したカンファレンスでした。


まとめ

そんなこんなで、Casual Connect Seattleでは

  • ゲーミフィケーションの重要性
  • ゲームに求められるクオリティが高くなっていっていること
  • ソーシャルゲームで当てることの難しさ

ということを改めて感じてきました。

これら実感し学んだことを活かし、ぜひカジュアルゲームでヒットゲームを作ってやろう!そう改めて思い直すカンファレンスでした。

次は英語をちゃんと勉強して、来年のCasual Connect Asia(シンガポール)にいければ。。。

上司がこのブログを見て私をシンガポールに行かせてくれることを期待しています。

次回は鷲見の特に印象に残った2つのセッション『Smart Gamification』『2011: Social Games Year in Review』について解説させていただきます。


2011年09月15日

Casual Connect Seattle に参加してきました – part.1

みなさん、こんにちは!フリューでモバイルサイト開発を行っている鷲見といいます。

去る7月19日から21日にかけてシアトルで開催された北米最大のカジュアルゲームの祭典『Casual Connect Seattle』に、我々フリューのモバイル事業部より中島、九岡、鷲見の3名で参加してきました。

今回はそのCasual Connect Seattleへの参戦記を参加した3名それぞれの観点で掲載していきます。

今回はpart.1 ということでカジュアルゲームやCasual Connectについての簡単な説明を触りとして説明させていただきます。

ちなみに今回のCasual Connect Seattleへは福岡市さん、ジェトロ福岡さん共済の『福岡市・シアトルゲーム産業ミッション』を通じて参加させていただきました。福岡市さん・ジェトロ福岡さんほんとうにありがとうございました。


カジュアルゲームとは?

カジュアルゲームに関する団体であるCasual Game Associationによるとカジュアルゲームは以下のように定義されています。

  • ファミリーを含む広い一般ユーザー向けに作られた、比較的簡単に遊ぶことが出来るビデオゲーム
  • プラットフォームにとらわれず、ゲーム機、パソコン、iPhoneなどのスマートフォン・携帯電話、FacebookなどのSNSといった様々なメディアで遊ぶことができる
  • パズルゲーム・麻雀・テトリス・ソリティアのような、暴力的でないゲームが多い
  • ワンプレーが5−20分くらいの、短時間で遊べるアーケードスタイルのゲームが多い

要は「短時間で、簡単に遊べて、幅広いユーザーをターゲットにしたゲーム」といったところでしょうか。

また、そんなカジュアルゲームの市場規模やユーザー数なども気になるところですが、Casual Game Associationでは以下のように説明されています。

  • 2009年時点でインターネット経由のカジュアルゲームプレーヤーは、世界に2億人以上いると推測される
  • 携帯電話、iPhoneなどのスマートフォン、FacebookのようなSNS、パソコン、ゲーム機といった媒体を合算した2009年度の全世界売上は30億ドル(約2,400億円)を突破

出典:Casual Game Association


Casual Connectとは

Casual Game Associationが主催するカジュアルゲームの祭典です。年に3回ほど、ヨーロッパ・北米などで開催されており、今年はドイツのハンブルグ、アメリカのシアトルで開催され、10月にはウクライナのキエフで開催予定です。また来年はシンガポールでの開催が予定されています。

我々が参加したCasual Connect Seattleは北米唯一かつ最大のカジュアルゲームイベントで、ネットワーク経由の様々なジャンルを網羅し、 北米・ヨーロッパの市場動向や、最新の技術動向に関する情報が入手することが可能です。

北米での開催とはいえ、世界中で年3回しか開催されないイベントですので、我々同様、海外からの参加者が非常に多かったのが印象的でした。

気になるのはどのような企業が参加しているのかといったところですが、Casual Connect Seattleへの参加企業としては日本で知られている企業としては

  • Rovio Mobile(Angry Birds開発元)
  • Big Fish Games
  • Google
  • Amazon
  • Microsoft
  • OpenFeint
  • ngmoco

のような企業が挙げられます。


シアトルについて

なぜシリコンバレーではなくシアトルで開催?と思われた方も多いのではないかとおもいますが、シアトルはマイクロソフトやニンテンドーオブアメリカなども本拠地を置くゲーム産業都市なのです。
ゲーム会社でシアトルに本拠地を置く企業も多く、そのため毎年シアトルで開催されているのではないかと思います。

日本との時差は15時間。飛行機で片道約9時間ほどの時間がかかります。

ゲーム産業以外にはボーイング社が本拠地を置き航空産業が盛んな他、日本でも有名なスターバックス、タリーズ、シアトルズベストコーヒーなどのシアトル系カフェの発祥の地でもあります。

また、イチローで有名なシアトル・マリナーズも当然シアトルのチームです。

ちなみに下の写真はシアトルのシンボル『スペースニードル』です。某映画で宇宙船の隠し場所にされてたりしました。

スペースニードル


まとめ

と今回はさわり部分なので、このあたりで。
次回からは参加者3名それぞれの観点から、Casual Connectでの気になったセッションや感想について掲載していきます。