みなさん、こんにちは!フリューでモバイルサイト開発を行っている鷲見といいます。

現在あるソーシャルプラットフォーム上のアプリケーションを構築するプロジェクトでの、
クラウド環境の導入の進行状況をそのまま記事にしております。

前回のpart1ではクラウド環境の比較を行い、IaaSの機能の比較までを行いました。

前回記事 – クラウド1ヶ月導入記 part 1 比較編

今回は誰もが気になるお金のお話です。

金額の見積もせずに上司に話を持って行くと

「それ、なんぼのもんや?」

と鬼の形相で凄まれることは必至です。見積もり大事です。

まずは今回のサービスに必要な要件を仮設定して各サービスでの初期費用および月額を見積もってみることにします。

なお下記の見積情報は2011年4月現在のものです。
変更されている場合もありますので、詳細については各自でご確認いただきますようお願いいたします。


要件

弊社で運用しているサービスのデータを元に仮設定値として以下の要件を設定します。

Web/APサーバ 5台
DBサーバ 2台(HA構成を組めればOK)
ロードバランサ 1台
DBの容量 100GB程度
必要なストレージ容量 1GB程度
データ送信量 10GB/日
データ受信量 2GB/日
オートスケール機能 あれば使う
監視機能 あれば利用する
固定IPアドレス あれば利用する
OS CentOS(なければ他のLinuxディストリビューションでも可)

Amazon Web Services

Amazon Web Services – http://aws.amazon.com/jp/

利用するサービス

  • Amazon Elastic Computing Cloud(EC2)
  • Amazon Elastic Block Storage(EBS)
  • Amazon SimpleStorageService(S3)
  • Elastic Load Balancer(ELB)
  • Amazon Relational Database Service(RDS) or Amazon SimpleDB
  • Amazon CloudWatch
  • AutoScaling
  • AWS Premium Support

EC2・EBS・ELB

EC2はAmazonのデータベース上に使いたい時に使いたい分だけサーバを構築できるようなサービスです。
EBSはEC2に外付けHDDを追加するようなイメージのブロックストレージサービスです。
ELBはサーバへのリクエストを設定されたEC2インスタンスに割り振るロードバランサです。
これらの3つは密接に絡み合うので一緒に見積もります。

  • インスタンスタイプは弊社で利用しているサーバと同規模のLargeを選択。
  • Web/APサーバとして5台
  • ストレージは各サーバに10GB
  • IPアドレスは5個
  • データ送信10GB/日
  • データ受信2GB/日

で計算すると、

月額:$1628.68(約¥138,437)となりました。

S3

S3はストレージサービスです。
EBSのバックアップなどに利用します。

  • ストレージ容量は200GB
  • データ受信10GB/日
  • 10,000リクエスト/月

で計算すると、

月額:$30.13(約¥2,561)となりました。

RDS or SimpleDB

RDS、SimpleDBはデータストアサービスです。
RDSはRDB,SimpleDBはKVS型のDBといったイメージです。

RDS

  • インスタンスタイプはLargeで2台を利用
  • MultiAZ機能を利用
  • I/Oは500万回/月
  • データ送信10GB/日
  • データ受信2GB/日
  • 総容量100GB

で計算すると、
月額:$1523.04(約¥129,458)となりました。

SimpleDB

  • レコード数は100,000件
  • 1レコード当たりの値は8件
  • 検索が200,000件/月
  • 挿入が200,000件/月
  • データ送信10GB/日
  • データ受信2GB/日
  • 総容量100GB

で計算すると、

月額:$27.24(約¥2,315)となりました。
RDSと比べるとだいぶ安いですね。

CloudWatch

監視サービスです。
EC2・EBS・ELB・RDSなどのCPU利用率などの情報を取得しており、
取得した値が閾値を超えた場合にアラートを発することができます。

今回はEC2・EBS・ELB・RDSで各5件ずつのALERTを設定するとして計算すると、
月額:$2.00(約¥170)となりました。

AutoScaling

オートスケールの利用にはCloudWatchの利用と設定が必要ですが、
オートスケール自体は無料で利用することができます。

AWS Premium Support

サポートサービスです。技術的な支援を行ってくれるサービスです。
24時間対応してくれるゴールドタイプを選びます。
月額:$400.00(約¥34,000)となりました。

見積金額

RDS利用時

EC2・EBS・ELB $1628.68(約¥138,437)
S3 $30.13(約¥2,561)
RDS $1523.04(約¥129,458)
CloudWatch $2.00(約¥170)
AutoScaling $0.00(約¥0)
AWS Premium Support $400.00(約¥34,000)
合計 $3583.85(約¥304,627)

Amazon Web ServicesでRDSを利用した場合、月額:$3583.85(約¥304,627)となることがわかりました。

SimpleDB利用時

EC2・EBS・ELB $1628.68(約¥138,437)
S3 $30.13(約¥2,561)
SimpleDB $27.24(約¥2,315)
CloudWatch $2.00(約¥170)
AutoScaling $0.00(約¥0)
AWS Premium Support $400.00(約¥34,000)
合計 $2088.05(約¥177,484)

Amazon Web ServicesでSimpleDBを利用した場合、月額:$2088.05(約¥177,484)となることがわかりました。

RDS利用時と比べ$1,500以上差が出てしまいました。
SimpleDBがかなり割安なのがわかります。
SimpleDBで要件を満たせそうなのであれば、SimpleDBを利用したいところですね。


ニフティクラウド

ニフティクラウド – http://cloud.nifty.com

サーバ

  • サーバタイプは弊社で利用しているサーバと同規模のLarge8を選択。
  • Web/Apサーバで5台、DBサーバで2台

上記要件で66,528×7=465,696円/月となります。

ストレージ

ニフティクラウドのサーバは通常30GBで、DB用にはストレージが不足しますので、DBサーバにストレージを増設します。
DBサーバ1台につきストレージを100GBを増設します。

10,500×2=21,000円/月となります。

ネットワーク

1日12GBで30日と考えると
15.75×12×30=5,670円/月となります。

ロードバランサ

100Mbpsのロードバランサで84,000円/月となります。

オートスケール

オートスケールの設定を2件行うと仮定し、
1,050×2で2,100円/月

また、オートスケールを利用するのにカスタマイズイメージの保守料金が発生するため、
3,150円/月がかかります。

監視

基本監視は3.15円/時ですので、

3.15×24×30×7=15,876円/月となります。

サポート

プレミアムタイプは要見積なので、今回はヘルプデスクのみを利用します。

67,200円/月となります。

合計

サーバ 465,696円
ストレージ 21,000円
ロードバランサ 84,000円
オートスケール 5,250円
監視 15,876円
サポート 67,200円
合計 659,022円

ニフティクラウドは月額:659,022円と結構なお値段することがわかりました。


さくらVPS

さくらVPS – http://vps.sakura.ad.jp

  • サーバタイプは弊社で利用しているサーバと同規模のさくらのVPS 8Gを選択。
  • ロードバランサのサービスがないのでLVSでロードバランシングを行う
  • Web/Apサーバで5台、DBサーバで2台、ロードバランサで1台

7,980×8=63,840/月です。

サーバ以外にお金はかからないので
さくらVPSは月額:63,840円となります。
ニフティクラウドの約10分の1と激安ですが、機能面が不十分な気がします。


比較と選定

Amazon Web Services(RDS利用時) 月額:$3583.85(約304,627円)
Amazon Web Services(SimpleDB利用時) 月額:$2088.05(約177,484円)
ニフティクラウド 月額:659,022円
さくらVPS 月額:63,840円

さくらVPSは安いのですが、機能面で不足している感が否めません。

ニフティクラウドは機能面は不足はないのですが、値段が少々お高い感じがします。

Amazon Web Servicesが機能面も充実しており、値段もちょうど中間で、
EC2のリザーブドインスタンスを使えばさらにお値段が安くなるということもあり、
今回は『Amazon Web Services』をインフラ環境として採用したいと思います。

次回以降はタイトルもAmazon Web Services1ヶ月導入記と名前を改め、
『Amazon Web Services』でのデータベースの検討などを行っていきたいとおもいます。