こんにちは。 最近、英語の勉強にハマっている国平です。

少し前の話になりますが、Bashに脆弱性が見つかった際にみなさまどのように対応されたでしょうか? 私の部署ではサーバのBashのバージョンアップを1台ずつログインして手動で実行していました。

このバージョンアップ作業自体は1コマンドで完了するのですが、サーバ台数が多く1台ずつに順にsshでログインしコマンドを実行するのは結構な手間が掛かりました。

そこでAnsibleを使って複数のサーバの状態をまとめて変更できるようにしました。

Ansibleによるサーバの管理自体は資料も多くすぐに実行出来ました。 以前、このブログでAnsibleを取り上げたときには参考にできる情報が少なかったのですが、 現在では非常に多くの優れた資料が公開されていますので、Ansibleを利用する事自体はそれほど難しくないかと思います。

しかし、次の課題としてチーム全員がAnsibleを利用できるようにしなくてはいけません。 Ansibleの利用に集中できるように簡単にAnsibleの実行環境を構築できるような仕組みづくりを目指して、 Vagrantを利用して実行環境も含めてGitで管理し、配布できるようにしました。

今回のポイント

今回の課題は、チーム全員が簡単にAnsible実行環境を使えるようにするということです。 AnsibleのPlaybook自体はGitでバージョン管理出来ているので、同様にGitで実行環境も管理できると、 便利で配布がしやすくなりそうです。

そのため、今回はVagrantの設定ファイルをPlaybookとセットでGit管理し、Vagrantを実行するだけで、 Ansibleがインストール済みで、Playbookも利用できる仮想マシンにアクセスできるような仕組みづくりを行いました。

Ansibleとは

Ansibleはリモートマシンのあるべき状態をPlaybookというファイルに記述し、実行する事で、リモートマシンの環境を整えるツールです。 以前にもこのブログの記事でも取り上げました。

最近では急速に普及が進んで、利用するための情報も多く公開されていますし、電子書籍ですが入門Ansibleという本も公開されています。

Vagrantとは

Vagrantは仮想環境をコマンドラインから利用するツールです。 VirtualBoxをコマンドラインから利用する事ができる他、ネット上で公開されているBoxを取得して実行したり、 仮想マシンの起動時にShellスクリプトやChef、Puppetなどを利用してプロビジョニングを行う事も出来ます。

こういった設定を全てVagrantfileにRubyのDSLとして記述する事ができるので、Vagrantfileとプロビジョニングに使うファイルをGitにコミットしておけば、どこからでも同一状態の仮想マシンを利用する事が出来ます。

今回の方針

今回は、PlaybookとVagrantfile、そして仮想マシンのプロビジョニングファイルを1つのGitリポジトリにまとめてコミットしておきます。 プロビジョニングには、チームメンバーが誰でも読み書きできる前提で、Shellスクリプトを利用することにしました。

今回作成したGitリポジトリのサンプルはこちらです。

仮想環境構築のポイント

Vagrantで仮想環境を複数人で利用するためのポイントは下記の3点です。

  • Boxを自動的に取得するようにする
  • 仮想マシンを起動したら自動でPlaybookを実行できるようにする

Boxを自動的に取得するようにする

Vagrantでは仮想マシンの起動の際にベースとなるイメージファイルをBoxと呼びます。 最初にVagrantを利用する際にはBoxを取得して利用するのですが、 チームメンバーが個々にBoxを取得するのも面倒です。

なので、全員がおなじBoxを利用できるようにVagrantfile内で config.vm.box_url を設定しておきます。 これにより、Vagrantを実行するホストマシンに config.vm.box で指定したBoxが存在しなければ、指定したURLからBoxを取得して起動するようになります。 サンプルではCentOS6のBoxを取得して、furyu_blog_sample という名前で利用できるように設定しています。

仮想マシンを起動したら自動でPlaybookを実行できるようにする

この処理には2つのポイントがあります。

ホストのディレクトリを同期

まずは、仮想マシンとホストマシンのディレクトリを同期する設定をします。 Vagrantfileで config.vm.synced_folder "<HOST_DIR>", "<VM_PATH>" を設定すると、ホストマシンの指定したディレクトリを、仮想マシンから参照できるようになります。

サンプルで公開しているリポジトリの場合ですと、下記のように設定する事でサンプルリポジトリ全体を仮想マシン上では /playbook ディレクトリとして扱う事が出来ます。

仮想マシンをShellプロビジョニング

もう一つのポイントは、Vagrantのプロビジョニング機能を利用して仮想マシンにAnsibleやその実行のために必要なツールをインストールすることです。

Vagrantでは前述の通り仮想マシンの新規起動時にシェルスクリプトなどの実行をさせる事ができます。 なので、先ほど同期したリポジトリ内に、Ansibleのインストールなどを行う処理をまとめたシェルスクリプトを用意しておいて、実行するようにします。

今回は、リポジトリ内のvagrantディレクトリに置いてある、bootstrap.shを実行するようにします。

bootstrap.shは下記のような内容になっています。

Ansibleを実行する

サンプルリポジトリを使ってAnsibleを実行してみます。 なお、今回仮想マシンに利用しているCentOS6では、Ansibleが実行時にsshを自動的には利用してくれないので、-c オプションをつけて明示的にsshを利用するようにしています。 このサンプルは、Vagrantが利用できる事が前提となっています。

上記のコマンドを順に実行すると仮想マシンが立ち上がり、接続し、そしてplaybookが実行出来ます。

まとめ

今回の記事ではAnsibleの実行環境をVagrantを利用して配布しました。 これによって、チームメンバー全員が簡単にAnsibleを利用する事ができます。 簡易ながらVagrantを用いてプロビジョニングする事で、 サーバ環境だけでなく、実行環境にもべき等性を持たせる事が出来ました。 これでチームメンバーのローカルマシンの設定の差に影響を受けずに作業する事ができます。

関連記事