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Ansible Meetup in Tokyo 2016.06に行ってきました!

みなさん、こんにちは。コンテンツ・メディア第1事業部インフラ担当の藤本佳世です。前回のブログの続き、「OpenStack構築手順」などご紹介する予定ですが、その前に2016年6月1日(水)に開催された「Ansible Meetup in Tokyo 2016.06」に参加したお話しをしたいと思います。自称「Ansible女子」の私。3年前にも参加したことがあり、今回は3回目の参加でした。

詳細URL http://ansible-users.connpass.com/event/31222/

Ansible

Ansibleとは、今回Meetupの会場でもあるレッドハットが開発するオープンソースの構成管理自動化ツールです。

ssh通信を利用して、クライアントサーバに直接命令を送り込むことができます。

フリューでは約3年前にAnsibleを導入し、ミドルウェアのインストールなどサーバ構築・管理には欠かせないツールとして利用しています。Ansibleを使うメリットはとても大きく、導入したことで、今まで手動で3時間もかかっていたサーバ構築作業を、1時間以内まで時間短縮を実現することができました。

使い始めた頃は、参考書も少なく、公式HPの英語ドキュメントを参考にしていましたが、今年の4月にO’Reillyから本も発売され、ますます注目されています。

公式ホームページ https://www.ansible.com/

発表内容

  • 「Ansible Core 2.0 Overview and future releases」 by Dylan Siliva
  • 「Jupyter+AnsibleによるLiterate Computing(手順書 as a Code)への挑戦」 @ enakai00
  • 「共通言語Ansible」 @seri_wb
<LT詳細>
  • 「ansible-vaultについて何か」 (ynn)
  • 「Ansibleの教育トレーニングはじめました」 (spchildren)
  • 「Ansible2.0とOpenStackの関係」 (saito_hideki)
  • 「Playbookからのドキュメント自動生成やってみてる」 (h-hirokawa)
  • 「Ansibleとterraformで実現するタグベース複数環境プロビジョニング実例」 (takuya_onda_3)

内容まとめ

Ansible2.0新機能と今後のリリース関連

  1. 200以上の新しいモジュールが追加された
  2. エラーメッセージの改善:よりわかりやすくエラーメッセージ内容を記載するようになった
  3. アーキテクチャが変更され、より簡単に開発できるようになった
  4. ansible-vaultと呼ばれる機密情報が書かれたファイルを暗号化するツールがリリースされた
  5. 36個の OpenStackモジュール追加され、バージョン1と比べて、とても使いやすく親和性が高い
  6. sudo機能が使えなくなる予定。ansible_ssh_hostnameを ansible_hostname, ansible_userに変更する必要がある
  7. 約400以上のモジュールをリリース予定(Dockerモジュールも追加予定)
  8. python3対応予定
  9. クラウド技術にも力を入れる予定 (AWS, OpenStackなど)

運用について

  1. 開発とインフラの作業ラグをなくす取り組みについて、ミドルウェアバージョンアップなどインフラではなく、開発メンバーにAnsibleを実行してもらっている
  2. ansible-vaultと呼ばれる機密情報が書かれたファイルを暗号化するツールの利用
  3. Ansibleは自動化だが、やはりメンテナンスする必要がある。複雑なplaybookを書いてしまい、結果ブラックボックス化してしまう。手順書を用いることで、だれが見ても分かるようにする
  4. Ansibleコードをシンプルに保つことが大切

感想

Ansibleバージョン2.0の新機能や今後リリース予定のモジュールなどの紹介がありました。

個人的には、【Jupyter+AnsibleによるLiterate Computing(手順書 as a Code)への挑戦 @ enakai00 】の発表が非常に興味深かったです。手順書作成の必要性について、いかにAnsible(コード)だけに頼らず、うまく手順書にAnsibleを載せるかについて紹介されていました。

私が所属するインフラチームは、Ansibleを導入して約3年ほど経ちます。新規サーバ構築以外に、ミドルウェアのアップデート、脆弱性対応など、様々なケースで利用しています。しかし、Ansibleの構成が複雑化してしまい、他のメンバーが使いこなす事が非常に難しい状態です。そんな時、やはり手順書があればと思っていました。発表で「Jupyter」を使った手順書作成についてのお話しを聞くことができました。Jupyterの知識はゼロですが、是非検証してみたいなと思いました。

その他にもOpenStackについて、Ansibleバージョン2以降、とても使いやすくなったとの発表もありました。

前回のブログで紹介したOpenStackは、Ansibleを使って構築しました。今後のブログで、その手順をご紹介するので、是非読んでいただければ嬉しいです。