Hello world! コンテンツ・メディア第1事業部のjyukutyoこと阪田です。
前回の投稿ではJavaOneへの行き方を中心に書きました。今後数回に渡っていくつかのセッションの内容を紹介します。
Building Angular 2 Applications in Java 8
チュートリアルセッションです。Angular 2とGWT、Spring Bootでアプリケーションを作るには、という内容でした。スライドはこちらにあります。
http://lteconsulting.fr/angular2boot-javaone/#/
Angular 2とGWT 2.8を使う際の問題点と解決策が中心となっています。
内容
Angular 2はJavaScriptに加えてTypeScriptをサポートしている。Modules、Components、Dependency Injection、Change Detectionが基本的なものである。さらにJSR-269のPluggable Annotation Processing APIを使ってコードを生成する。バックエンドは、シンプルで強力なSpring Bootを使う。
GWTは今のWebからは遠いところにあるものなのは事実だ。GWTにあるものは、以下のもので置き換えられる。
ただ、GWT 2.8は将来の過渡期にある。
GWT 3はJ2CL (Java to Closure) となり、今標準となっている多くの機能をなくす。
GWTはモダンで最適化されたJavaScriptへコンパイルしてくれる。JsInteropはJavaScritpとJavaコード間を双方向で統合する。JavaScriptのXMLHttpRequestは以下のようなJavaクラスとなる。
これを次のように使うことができる。
そしてSuper Dev Modeには開発用の早いインクリメンタルなコンパイラがある。
JSR-269のPluggable Annotation Processing APIでは、独自のアノテーションプロセッサを登録する。
そして、Angular2GwtというGWTとAngular 2を統合するライブラリを使う。 Angular2Gwtがすべてやってくれる。User moduleなしのGWTのコンパイルは早い。アプリケーションに依存ライブラリを1つ足すだけでできる。
アーキテクチャは次のようになる。
デモアプリケーション
セッションではデモもありました。デモのリポジトリはこちらです。
https://github.com/ltearno/angular2boot-demos
デモアプリケーションはいくつかあります。ここではセッションで実行していた”my-first-tree-orchard”を動かしてみましょう。
`
$ cd my-first-tree-orchard
$ mvn spring-boot:run
`
僕の環境ではjava.lang.IllegalArgumentException: Can not copy a non-root Method
が出ましたが、起動しました。http://localhost:8080/
にアクセスすると、”Application is loading”が出た後、次の画面になります。
あとは”Roll 6 faces dice”ボタンを押せば動作します。
さて、target/generated-sourcesディレクトリを見ると、コードが生成されています。
ライブラリがPluggable Annotation Processing APIを使って生成したコードですね。
このままではコンポーネントのテンプレートを変更しても、即座に反映されません。Super Dev Modeを使ってみましょう。spring-boot:runはしたままで、別のウィンドウを使って同じディレクトリで次のコマンドを実行します。
`
$ mvn gwt:run-codeserver
...
[INFO] Super Dev Mode starting up
...
`
Super Dev Modeが起動しました。画面をリロードします。”Compileing Application”と表示されるようになります。
最後に、起動時のjava.lang.IllegalArgumentException: Can not copy a non-root Method
ですが、古いバージョンのSpring Loadedの問題のようです。angular2boot-demosディレクトリにある親pom.xmlのspringloadedを1.2.0から現時点で最新の1.2.6にすると、例外は出力されなくなりました。
感想
Angular 2にもGWTにもほとんど知識はありませんでしたが、おもしろいアプローチではあると感じました。現時点ですぐにJavaにすべてを寄せるアプローチを使う予定はないのですが、こういった方法もあることは知っておいてよいですね。