フリュー株式会社 ピクトリンク事業部、アプリエンジニアのnakaseです。
今回、iOSDC Japan 2024 に参加したので、聴講したセッションを中心にレポートを書きたいと思います。
一緒に参加した弊社エンジニアもブログ記事を書いておりますので、こちらもぜひご覧ください。
※フリュー株式会社は今回ゴールドスポンサーとして協賛しておりました。 tech.furyu.jp
セッション
事前に公開されていたタイムテーブルに興味惹かれるセッションが多く、当日を楽しみにしていました。 どれも大変面白かったのですが、中でも幾つか興味深かったものについてご紹介いたします。
Server-Driven UI入門: 画面のStateを直接受け取るアプローチ
LayoutやStateをサーバからレスポンスとして返却し、クライアントでその情報を表示する手法とのことで、アプリをリリースすることなくユーザに適した画面の表示等が行える点で大変魅力的に感じました。
実際のプロダクトに適用するとなると、サーバ/クライアント技術の相互理解が重要となりハードルとしてはかなり高いですが、今後の設計を考える上では一つの選択肢として頭に入れておきたい開発手法だと思いました。
座談会 「Strict ConcurrencyとSwift 6が開く新時代: 私たちはどう生きるか?」
WWDC2024での発表もあり、Swift6やStrict Concurrencyは複数のセッションで話されていたテーマでした。
なかなかSwift6に関する情報を集めきれていないので、注意すべきwarningや記述について知ることができたのは大変ありがたかったです。移行の際には、こちらで聴いた話を参考にさせていただこうと思います。
月間4.5億回再生を超える大規模サービスTVer iOSアプリのリアーキテクチャ戦略
10年近く外部ベンター開発で可読性低・密になっていたコードを内製化してリアーキテクトするということで、 それを聞くだけで「大変すぎる...」というのが最初の感想でした。
以前のフルリプレース時に品質問題になったという経験を踏まえ(あるある話ですね...)、 モジュール単位で0%から徐々にロールアウトして順次置き換えていく方針となるそうです。
まだまだこれからの段階という事で、今後どのように進められていくかが大変気になります。
医療アプリ開発の最前線 - 安全性と生産性の両立への挑戦
厳しく品質が求められる医療業界において、その担保のために企画段階からエンジニア・QAがしっかり参画し、また、リリース頻度を上げるため自動テストに対して取り組みを進められているとのことでした。
弊社でもMagicPodによるテスト自動化をちょうど進めている事もあり、大変参考になる話でした。(ヘルススコア100%達成した話は帰ってすぐ弊社のQAチームに共有させていただきました)
Mergeable Libraryで高速なアプリ起動を実現しよう!
XCodeのビルド時間って長いですよね...
こちらのセッションではMergeable Libraryを用いて、デバッグ時のビルド時間を短縮しつつ、リリースビルド時のアプリ起動時間を実現する方法について紹介されていました。 設定自体は大変簡単なので、実際のプロジェクトで試してみて、効果があるかぜひ検証してみたいと思います!
ブース
100近いブースがあり、iOSDCの規模の大きさを実感しました。
各社様々な工夫をされていたのですが、特に面白かったのが、iBeaconの機能を持つ機器を携帯した人物が会場内を歩き、参加者はアプリを作ってUUID等の情報からその人を見つける、という企画です。
こちらの企画に気づいたのが遅く残念ながら参加は出来なかったですが、後にアンカンファレンスでコードのレビュー会もあったようで、ハッカソンライクの楽しい企画だと思いました。(なお用意した賞品は、Day1で全て無くなったらしいです。)
また、新卒が1ヶ月で企画から作ったゲームを展示しているブースもありました。
新卒研修の成果として、このような場所でたくさんの人に触ってもらえるものを作るのは、本人の達成感にもつながる良い取り組みだと感じています。
他にも各社様々な形で、参加型の取り組みをされていました。
「開発者あるある」を記入したり、シールを貼っていくのは楽しかったです。
ビルド待ち時間あるある:鬼のSlack返信、コーヒーをいれる、ビルド開始すると間違いに気づくetc..
共感しかないですね。
個人的にノベルティで一番良かったのは「オリーブオイル(スパゲティコードを解くためのもの)」です。 茹で上がってもちもちに絡んだスパゲティに使わせてもらおうと思います。
LT
登壇者の皆さんのトークが軽快、かつ、共感できる・ためになった・純粋に技術として面白い話ばかりで、月並みな感想ですが大変楽しかったです。
特に好きだったのが
iOS怪談 シングルトンがふたつ…
です。(登壇者の方の記事はこちら iOSDC Japan 2024に登壇しました|まつじ)
エンジニアが「え...何それ怖い...」と思えるシンプルなタイトル、最高です。 立木文彦さんの臨場感たっぷりのタイトルコールから始まり、怪談の語り口調のような導入部から最後のオチ、解説まで、楽しませていただきました。
(余談)
- LT残り1分でペンライトを振る演出にドルオタの血が騒ぎました。任せてください。
- ペンライトは持って帰って弊社内で配布したところ一瞬で2本完売しました(子供のおもちゃに最適というご意見)
まとめ
初めての参加だったため、最初はどのように振る舞えばよいか少し戸惑いましたが、良い意味でリラックスした雰囲気の中、純粋にiOSアプリ開発に関する知識を深めることができる、とてもありがたい場でした。
Day0を含む3日間の長丁場で疲れるかと思いましたが、あっという間に過ぎてしまい、楽しかったという感想しかありません。
他社のエンジニアの方々とも懇親会などを通じて交流でき、アプリ開発者としての横の繋がりが広がったと感じています。
今後は、いつか登壇できるようなエンジニアを目指して、日々学びを重ねていきたいです。ぜひ、来年も参加したいと思います。