みなさん、こんにちは。
フリュー株式会社でプリントシール機のソフトウエア開発を担当している前山です。
この記事ではプリントシール機(以下、プリ)の新機種 EVERFILM(エバーフィルム)の
目玉機能である「プロジェクター撮影」の実装にあたって工夫したことを、
プロジェクター導入に向けたソフト開発の歩みも交えながら紹介させていただきます。
はじめに
「フリューって前にプロジェクターを使ったプリ出してなかったっけ?」と思ったあなた。
おめでとうございます!その通りです。さては古参プリユーザーですね。
フリューはこれまで数多のプリを生みだしてきましたが
直近で新機種としてプロジェクターを搭載したプリは
なんと2019年に発売された「AROUND20」という機種になります!
今回発売されるEVERFILMはそれ以来、
約5年ぶりのプロジェクター搭載機種になります!
ただ、 AROUND20とは明確に違うEVERFILMだけの特徴があります。
それは「撮影にプロジェクターを活用している」ということです。
AROUND20でのプロジェクターの主な活用方法は、
「プリ機の背面にデジタルサイネージとして映像を投影すること」にありました。
ですが、EVERFILMではなんと!
撮影で盛るためのコンテンツとしてプロジェクターを活用しています!
では、その実現にあたっての工夫について紹介します。
プロジェクター撮影の紹介🎬
まず、EVERFILMで初めて搭載されるプロジェクター撮影とは、
様々なコンテンツをプロジェクターを通して人物や背景に投影し
通常撮影とは違った雰囲気、盛れ感を演出するための機能になります。
何度も撮りたくなる豊富なコンテンツ数
投影できるプロジェクターコンテンツはなんと150種類以上!
ユーザーがその日の気分で選んだ撮影テーマに紐づく2枚と
選択肢の中からカスタマイズして選べる2枚、
計4枚のプロジェクターコンテンツで撮影を行います。
ちなみに私のイチオシのコンテンツはこちら。
野性味あふれるリアルな牛さんと一緒にプリが撮れて気分は牧場。新感覚まちがいなしです。
プロジェクター制御の方法
EVERFILMでは、独自に開発したプロジェクター制御モジュールを用いてプリ機へのプロジェクター導入を実現しています。 このモジュール内には電源ON/OFFの切り替えからプロジェクターの投影、変形、光量の調整など、プリでプロジェクターを扱う上で必要となる様々な機能が搭載されています。 色んなことができるリモコンみたいなものという認識でOKです👌
ただ実際に投影する150種類以上のコンテンツデータを
このモジュールのみで管理・保持するのには限界があります。
コンテンツの管理まで制御モジュールで行おうとすると、
コンテンツの読み込み時間が増加したり、更新の利便性に問題が生じたりするなど、さまざまなリスクが発生します。
そこで、このモジュールにユーザー選択情報を与えることで
外部情報を介して撮影で用いるプロジェクターコンテンツを取得する機能を追加しました。
詳しく説明していきますね!
膨大なプロジェクターコンテンツの管理方法🎯
プリにはユーザーがプレイ中に選択した内容を内部で記録する仕組みがあります。
任意で選択された内容をプレイ中にいつでも参照できる状態にしておくことで
選択内容に基づく分岐を可能にしています。
それによりユーザーそれぞれの好みにあったコンテンツを提供できるわけです。
今回はその仕組みを利用して、プロジェクター制御モジュールに
「何枚目の撮影か」という情報を与えることで
以下のステップを経てコンテンツ投影を行う機能を追加しました。
ステップ1 ユーザーの選択情報を元に投影するコンテンツを特定
ステップ2 PC内のメモリから背景画像データを取得
ステップ3 プロジェクターに投影実施メッセージを送信
この機能によって、ユーザーがプロジェクター撮影をするために
必要なデータを必要な分だけ読み込めるようになりました。
実装する上でのポイント💡
プロジェクター制御モジュールにユーザーの選択情報を与える上でのポイントが
「各プロジェクターコンテンツに一意な識別番号を与えること」です。
ユーザーの選択情報からコンテンツを取得するよう命じても
モジュール側がその情報でコンテンツを特定できなければ
正常にデータを読み込むことはできません。
そこで150種類以上のコンテンツに、プリ内で一意に特定するための
識別番号(IDのようなもの)を割り振り、管理することにしました。
これにより管理する対象が明確になり、データの扱いも容易になったため
モジュール応答速度の向上と開発の効率化を果たしました✨
さらに各コンテンツに設定する項目の幅を大きく広げることにも繋がっています。
例えばプロジェクターによる動画ガイダンスの再生や、一部のコンテンツには
ユーザーが入力した文字情報を動的に合成して投影するといった機能の実現にも
この機能が大きく貢献しています。
さいごに📌
ここまで読んでくださりありがとうございました。
今回紹介したような工夫がプリの開発にはたくさん詰まっています。
このような工夫や技術力向上の積み重ねが
プロジェクター撮影というプリの新しい価値の実現に繋がっています🎬
今後も、ユーザーニーズやプリの新たな価値創出に向けて
様々なことにチャレンジしていきます。
ぜひEVERFILMをプレイしてプリの進化を実感してください!!