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データ分析業務に統計学を取り入れる取り組み ①学習編

はじめに

こんにちは! ピクトリンク事業部データ分析チームの堀江です。

突然ですが、みなさま数学は得意でしょうか。
私は学生時代は何となくこなしていたものの、今では公式を一つも思い出せません。
そんな中、私が属するデータ分析チームでは今年度より業務に統計学を取り入れる取り組みを進めています。
今回はその取り組みの一環で行った、統計学の勉強会を紹介します。

 

経緯

データ分析チームは長らく2人体制でしたが、昨年度より私含む2名がチームに加わり4人体制となりました。
人数が以前の倍になったため、従来のデータ分析よりももう一歩踏み込んだ分析を出来るようにするために、チームが抱えていた以下の課題から統計学を学習する事に決めました。

  • 数値の論理的な説明をするための数学知識が不足している
  • 統計学の知識があるメンバーが統計を用いた分析を行っても、他メンバーは分析内容を理解できない

 

取り組み

輪読会の時間を毎週1時間設け、チーム4人全員で1冊の本を読みました。

データ分析に必須の知識・考え方 統計学入門 仮説検定から統計モデリングまで重要トピックを完全網羅

阿部真人 (著)

 

輪読会の時間までに参加者は書籍の対象範囲を読んでおき、書籍を読んだ感想や疑問点をコメントに残しておきます。
また、対象範囲を要約する担当者を毎週1人予め決めておき、担当者は書籍の対象範囲を要約した資料を作成します。

作成した要約資料の例

輪読会の時間は、要約担当者は作成した資料をもとに書籍の内容を10分程度で説明し、残りの50分間は他の参加者のコメントを読みながら意見交換を行いました。

コメントに書かれた疑問点は他の参加者に教えてもらったり、参考になった補足資料を共有してもらったりしながら、分からない状態で次に進まないようにしていました。

ちなみに、学習した内容を実際の業務に当てはめて考えるとイメージが付きやすかったです。

 

輪読会で出たコメント例


このやり方で輪読会を2カ月間で計9回行い、統計学の基礎を学習し終えました。

 

良かったところ

①疑問点を解消しながら進めたので、全員が同じペースで学習を進められた

書籍を読み進めるほど内容が難しくなるため、分からない事は放置せずに理解してから進めるように心掛けました。
輪読会で意見交換の時間を長めに設けていたので、誰かが置いて行かれる事なく足並み揃えて進められました。

 

②要約資料を見返せば内容をすぐ振り返れる

業務を行う中で、ふと「あの時のあの本に書いてあったあれってどんなのだっけ?」と学んだ内容を復習したくなるタイミングが出てくるかと思います。
そういう時に要約資料を見返せばすぐに思い出せますし、後から資料に補足の情報を付け足せば、より分かりやすい資料にブラッシュアップされていきます。

 

③要約担当者が分かりやすい資料になるよう工夫してくれていた

書籍の説明だけでは理解しづらい箇所は、要約担当者が自ら詳細を調べて、分かりやすかった説明を引用して付け足していました。
また、要約担当者が学習した内容を実際にPythonで試した結果を共有してくれた事も何度かあり、筆者が業務でPythonを使用した時にそちらを参考にさせていただきました。ありがたや!

 

所感

1人で学習を進めると、行き詰った時にモチベーションが低下したり計画的に進め辛かったりすることがありますが、チーム全員で学習した事で助け合いながら楽しく進められたと思います。
また、統計学の知識を身に着けた事で当初抱えていた下記2つの課題も解消され始めました。

  • 数値の論理的な説明をするための数学知識が不足している
    • 〇 ABテストの結果の評価や、複数の数値の比較を根拠付けて説明できるようになった
    • 〇 数値の外れ値判定を感覚ではなく統計に基づいた考え方で設定できるようになった
  • 統計学の知識があるメンバーが統計を用いた分析を行っても、他メンバーは分析内容を理解できない
    • 〇 内容を完全に理解するまではいかなくても、どんな理由でどんな分析をしているのかが分かるようになった
    • ▲ レビューや指摘が出来るまで知識が定着していない

完全な課題解決はまだ出来ていませんが、解決への第一歩を踏み出せています。
学習内容が業務にいかされると、達成感もあり今後の学習のモチベーションにも繋がるというのが実感出来て良かったです。

 

さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございました🌻
データ分析チームの業務に統計学を取り入れる取り組みは実際にまだ続いており、現在は学習した内容を実践する段階にいます。次回はその話を書く予定です^^