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初心者にもわかりやすいアジャイルスクラムのバックログ整理法8選!

こんにちは!ピクトリンク事業部でweb開発をしているakanenです🎀
フリューテックブログリレー3日目を担当します🏃‍♀️=3

昨日の記事は西村さんの「レビューがしやすいPRの粒度について」です。
品質向上のためにも、みんなでこれを意識していきたいな〜と再認識できる内容でしたので
みなさんもぜひ読んでみてください🎶

今回わたしの記事では、バックログ整理の8つの方法を手法別に解説していきます!


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以前こちらの記事でも触れた通り、私のアジャイルスクラムでの開発歴は半年ほどで、スクラムマスターでもありません!😳
それでも、アジャイルスクラムの開発方法に興味を持ち、最近「バックログ整理の手法」について調べる機会がありました🔍

バックログの整理と優先順位付けは、プロダクトを成功させるための大きなカギを握っているようです🗝️

💭 バックログは増えて当たり前でしょ?
💭 バックログリストが煩雑になってきて困ってる😞
💭 整理方法が他にもあるなんて考えたこともなかった!

そんな悩みを解決するために、私が調べた8つのバックログ整理手法を、初心者目線で簡単にまとめてみました📝

そもそもバックログって?

まず、「バックログ」とは何かを簡単におさらいしておきましょう✏️

バックログとは、アジャイル開発における「やるべきタスクや要件のリスト」のことです。
スクラムではこのリストを、

  1.  プロダクトバックログ:製品開発に必要なすべての機能や改善点、バグ修正などが含まれるもの
  2.  スプリントバックログ:現在のスプリントで実施するタスクが含まれるもの

として管理します。

アジャイル開発では、バックログを常に更新し、優先順位を見直しながら進めていくことが重要です!
このバックログの管理方法を改善することで、開発の効率が大きく向上します。

1. ユーザーストーリーマッピング(User Story Mapping)

ユーザーがどのように製品を利用するかを視覚的に整理し、開発作業の優先順位づけをする手法です👀
ペルソナ*1を複数想定し、ペルソナごとの動きを考慮しながら作業の洗い出しと優先順位づけをすることもできます。

手順と流れ

  1. ユーザーのアクションやフローを洗い出す。
  2. それぞれのアクションに対応するユーザーストーリーを作成。
  3. ストーリーを横に並べ、製品全体の流れを視覚化。
  4. 優先順位をつけて、重要なストーリーから実装を進める。

User Story Map Backlog

ペルソナを用いる場合

メリット

  • ユーザー視点での全体像が把握しやすく、ステークホルダーとの共通理解が得やすい。
  • 優先順位付けがしやすく、機能ごとの依存関係も見えやすい。

デメリット

  • 大規模なプロジェクトではマッピングが複雑になりがち。
  • 初期段階で多くの時間をかける必要があり、スプリント単位での短期的な開発には向かない。

💫おすすめの場面💫

  • ユーザー体験が重要な製品開発(ECサイト、SaaSなど)。
  • 全体の機能フローを可視化したいとき。

2. アイデア・ファネル・バックログ( Idea Funnel Backlog)

アイデアを収集し、それらを段階的に絞り込んでいく手法です。
ファネルとは日本語で「ろうと」のことで、プロダクトに新しいアイデアや改善点を追加し、優先順位をつけて実行可能なものに絞り込む様子から命名されています🧪

手順と流れ

  1. アイデアを広く収集。
  2. アイデアを分類し、ビジネス価値や実現可能性で評価。
  3. 評価されたアイデアを優先順位に基づいてバックログに追加。

Idea Funnel Backlog

メリット

  • アイデアを広く収集し、多角的に評価できる。
  • イノベーションを促進し、将来の成長のための基盤を作る。

デメリット

  • アイデアが多すぎて管理が難しくなることがある。
  • 優先順位付けが曖昧だと、実行に時間がかかる。

💫おすすめの場面💫

  • 新規事業や機能開発の初期段階。
  • チームやステークホルダーから多くのアイデアが出る場合。

3. オポチュニティ・バックログ(Opportunity Backlog)

ビジネスの機会を中心にバックログを整理する方法です👤
新しい市場やユーザーのニーズに基づいて機会を見つけ、それを追求するためのタスクを管理します。

手順と流れ

  1. 市場の機会やユーザーのニーズを分析。
  2. それに基づいたアイデアや改善案をバックログに追加。
  3. ビジネス価値に基づいて優先順位を付け、実行に移す。

Opportunity Backlog

メリット

  • ビジネス価値を重視して優先順位を決めるため、戦略的な開発が可能。
  • 市場やユーザーの変化に柔軟に対応できる。

デメリット

  • 市場の変化や機会の特定に時間がかかることがある。
  • 機会に基づいた判断が必ずしも技術的に実現可能か分からない。
    →洗い出されたBacklogをさらに他の手法(ユーザーストーリーマッピング等)と組み合わせることで実現可能性を高める場合もあるようです💡

💫おすすめの場面💫

  • 新しい市場やユーザー層をターゲットにする場合。
  • ビジネス価値が最優先で、機会を逃さないようにしたい場合。

4. クラスオブワーク(Classes of Work)

バックログを作業の種類で分類し、タスクを整理する方法です。
一般的には「新機能開発」「バグ修正」「技術的負債の解消」など、異なる作業タイプに分けて管理します。

手順と流れ

  1. タスクを「新機能」「修正」「改善」などに分類。
  2. 各クラスの優先順位を決めてバックログに追加。
  3. 各クラスの進行状況を管理しながら作業を進める。

Class of Work Backlog

メリット

  • 異なる種類の作業をバランスよく進めやすい。
  • チームがリソースを適切に配分しやすくなる。

デメリット

  • クラス分けが曖昧になると、タスク管理が複雑になる。
  • クラスごとの優先順位が不明確だと、効果的に進められない。

💫おすすめの場面💫

  • 複数の作業タイプ(機能追加、修正、技術的負債)を並行して進める必要がある場合。
  • チームのリソースをうまく配分したいとき。

5. ツリーバックログ(Tree Backlog)

バックログアイテムを階層的に整理する方法です🌳
親タスクと子タスクを関連付けて、どのタスクが他のタスクに依存しているかを明確にします。

手順と流れ

  1. タスクを親子関係に分けて整理。
  2. 関連するタスクをつなげて階層化。
  3. 親タスクから順に実行し、依存関係を管理。

Tree Backlog

メリット

  • タスク間の依存関係が明確になる。
  • プロジェクトの全体像を把握しやすい。

デメリット

  • 複雑な依存関係が多いと管理が難しくなる。
  • タスクの細分化が進みすぎると管理が煩雑になる。

💫おすすめの場面💫

  • 複雑な依存関係があるプロジェクト(例: 機能開発に必要な準備作業が多い場合)。
  • 複数のタスクを関連付けて管理する必要があるとき。

6. インパクトマップバックログ(Impact Map Backlog)

ビジネスの目的(ゴール)と、それを達成するためのアクション(機能)を関連付けて整理する方法です📈
プロダクトの成果(インパクト)に焦点を当ててバックログを整理します。

手順と流れ

  1. ビジネスゴールを定義。
  2. ゴールを達成するための行動(機能)を洗い出す。
  3. それが市場に与える影響を洗い出す。
  4. ユーザーストーリーとしてバックログに追加。

Impact Map Backlog

メリット

  • ビジネスゴールと開発アクションが一致していることを確認できる。
  • 無駄な機能やタスクを避けられる。

デメリット

  • ゴールとアクションの関係を正確に見極めるのが難しい。
  • 成果を測る指標が不明確だと効果が薄れる。

💫おすすめの場面💫

  • 明確なビジネスゴールが設定されている場合。
  • 目標達成に向けて、どの機能が最もインパクトがあるかを見極める必要がある場合。

7. サークルバックログ(Circle Backlog)

バックログアイテムを円環状に整理し、連続的な開発サイクルに合わせて進める方法です♻️
作業カテゴリに分ける場合もあります。

手順と流れ

  1. タスクを循環的に整理。
  2. 1つのサイクルが終わるごとに次のサイクルに進む。

Circle Backlog via Category

メリット

  • 連続的な改善を促進。
  • 進行中のタスクが途中で止まらず、流動的に進められる。

デメリット

  • 複数のサイクルを管理する必要があり、進行管理が複雑になることがある。

💫おすすめの場面💫

  • 継続的に進めるべきタスクが多く、定期的に改善を繰り返したい場合。
  • スプリントごとの進捗を循環的に管理したい場合。

8. コンバージョンファネルバックログ(Conversion Funnel Backlog)

ユーザーが製品やサービスを使用する過程をファネル(ろうと)として視覚化し、各ステップでの改善点を整理する手法です。
特に、コンバージョン率を向上させるためのタスクに特化しています。

手順と流れ

  1. ユーザーの行動パターンをファネルに分ける。
  2. 各ステップでの問題点を特定。
  3. 改善策をバックログに追加し実行。

Conversion Funnel Backlog

メリット

  • コンバージョン率を明確に改善できる。
  • ユーザーの行動を最適化できる。

デメリット

  • ユーザー行動のデータが不足していると正しい判断ができない。

💫おすすめの場面💫

  • EコマースやSaaSなど、ユーザーの行動を追い、コンバージョンを向上させる必要がある場合。

おわりに

以上がアジャイルバックログ整理の8つの方法です。
この記事では簡単な紹介となりましたが、手法を知ったり興味を持つための第1歩目となれたら幸いです🎀
TODOリストの、形骸化した「ラベル付け」「フォルダ分け」からみなさんが解放され、
より良いプロダクトづくりにフォーカスできますように🪄💫

🏃‍♀️=3
テックブログリレー明日の担当は、さっそく2度目のご登場🐱🥁
Rieさんの「アジャイル開発における改善の大切さを非エンジニアに説明してみた件」です!
よろしくお願いしまーす!!

*1:サイト、ブランド、製品を使用する典型的なユーザーを表すために作成された仮想的な人物像のこと